名古屋へ行ってきました。

妻の親戚との初顔合わせのため、昨日から名古屋へ行ってきました。

昨日は昼過ぎに名古屋へ到着。見逃してしまった「ダリ展」が
名古屋で開催中という事で、見に行く事にしました。
名古屋へは2年前に仕事で良く行っていたのですが、あまり
ゆっくりする事はなく、今回は始めてゆっくりと歩く事ができました。

期待のダリ展はちょっと物足りなく、そして美術館の職員が急かすので
落ち着いてみる事ができず、少し不満に終わりました。
ただ、ダリのやってきた事の幅広さや、突拍子のなさには、脱帽でした。

その後、栄の松坂屋前の「雀おどり総本店」でワラビ餅を頂きました。
このお店、店構えも店内の小さな池に鯉がいたりと趣があり、さらに
注文した抹茶も、わらび餅も非常に美味でありました。
ちょっとざらっとしているけれど、プルンとして、甘さも控えめでありました。

あまりに美味しかったので、僕らはお土産をそこで購入する事にしました。
「ういろ」であります。僕が名古屋へ出張できていた時は伊勢のとらやのういろ
を良く購入していたのですが、今回はこの「雀おどり」で購入しました。
やはりざらっとしていながらも、黒砂糖がアクがなくすっきりとした「ういろ」
であります。日持ちはあまりしませんが、おすすめです。

今回の旅は、親戚の方との顔合わせが一番の目的であり、二番目に前述の「ダリ」が
あり、そして最後の一つが「ひつまぶし」でありました。

思えば20数年前。
私は、父の仕事の都合で愛知県の春日井市というところに住んでいました。
小学校1年生から3年生まで、自然が残る愛知県の田舎でザリガニをとったり、
ケイドロしたり、鉄棒やったりして暮らしていました。
小学校3年で東京へ再び戻る事になるちょっと前に、家族で熱田神宮にある
蓬莱軒」という鰻屋へ食事をしに行く事がありました。
ここで食べた「ひつまぶし」はそのころの僕には本当に素晴らしい食べ物でした。

ただでさえ高級だった鰻をお茶漬けで食べるなんて。
その時の幸せな気持ちを忘れる事ができませんでした。

そして、名古屋への出張が多かった2年前。
なんとか「ひつまぶし」を食べたいと思ったのですが、
時間もなくその時は「みそかつ」「味噌煮込みうどん」「あんかけスパゲティ
を中心に名古屋を食べていました。

そして、今回松坂屋にある「蓬莱軒」へ行く事をこの度の目標の一つにしたのでありました。

「雀おどり総本店」でわらび餅を食べた後、夕飯にはまだ速いとちょっとぶらぶらしてから、
いざ「蓬莱軒」へ。しかし。
松坂屋10階へあがった僕らの目の前には、長蛇の列でありました。
1時間以上並んでまで食事をするという事は僕と妻との常識にはないので、退散する事にしました。

ただ、「蓬莱軒」は目的の一つだったため、僕はちょっと泣きそうなくらい落胆してしまいました。
ただ並んで食事の時間が遅くなるのも嫌だったので、僕らは良くわからないまま、名古屋のまちを
歩きました。

以前一度行った事のある個性的なカレーうどんを食べさせる「うどん錦」があるあたりへ行ってみようと思い、
歩いて行きました。僕は名古屋付近の地理は全くわからなかったのですが、そのエリアは「錦」というエリアで
若者なんかがたくさんいるような場所でした。そのエリアをウロウロと歩いていると、なんだかいい感じの
鰻屋を発見店の名前は字が難しくてよく読めませんでした。
それでも店構えと「ひつまぶし」に対する熱い思いからその店の暖簾をくぐりました。

店内はなんだか小津映画に出てくるような座敷とテーブル。店員はみんないい感じのおばちゃんでありました。
店内は結構込んでいて、しばらくは待ちましたがすぐに通され、僕らは「櫃まぶし」を注文しました。

湯のみや茶碗もなんだか昔っぽくてとってもいい感じでありました。
そうこうするうちに、大きなおひつに入った「櫃まぶし」がやってきました。
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期待通りであります。

まずは1杯目をそのまま頂きました。
炭火で焼いてる香りとタレがこげた香ばしさがたまりません。
その後2杯目は薬味をかけていただきました。
本当に薄く切ったネギとわさびが良く合い、これまた違った香りを
楽しむ事ができました。
そして、3杯目。お茶漬けであります。
ここでは、普通のお茶をかけて食べるスタイルでした。(蓬莱軒は出汁です)
薬味をのせ、お茶をかけると、余分な油が落ち、あっさりとした味を楽しむ事ができました。
感涙。であります。
一度裏切られた期待は、新たな悦びとともにやってきたのでした。

そんなこんなでやっとありついた「櫃まぶし」。
帰宅して、その店を調べると出てきました。
お店の名前は「いば昇」("いば"の字が感じなんだかなんだかわからなかったのです)。
調べてみれば、なんと「ひつまぶし」の発祥と言われる「蓬莱軒」とともに
この「いば昇」も櫃まぶしの発祥として知られる店であったのです。

納得の旨さでありました。
ここも有名店のため時間によっては行列ができるようです。
名古屋へ行った際は、ぜひ。