4年と1年

あの地震から4年。
奈良へ来て1年。

早いような、そうでもないような。

関西へ来てみると、やはり「震災=阪神淡路」という印象が強いためか、
2時46分も何となく過ぎていった。

4年前、なんとか歩いて自宅までたどり着き、その日の夜のニュースで、関西への避難を決め、1週間ほど奈良で過ごした。結局仕事の事など諸々あったので東京へ戻った時には、計画停電が実施されていて、目に見えない不安を抱え暮らした。外で遊ぶことも自分の判断も正しいのか、情報を整理し、なんとか判断していくということを迫られた時期だった。

その後、少しずつその不安も日常生活の「慣れ」から払拭されつつあったけど、どこかで拭いきれないものがあって、なんとなくスッキリしない暮らしが続いた。仕事は、やり甲斐があったし友人も多くいた。子供達も仲良しの友達がいて、自分の子供も含めその成長を見守ることはとても楽しかった。それでも、そこで暮らす以外のことを真剣に考えるようになった。それまでのぼんやりとした「夢想」ではなく。

結果、奈良へ来てみた。情けないことに「とりあえず来てみた」という感じにしかならなかったけど。そして、1年が経った。

1年の間、のらりくらりとやり過ごして、自分のやりたいことをとりあえずしばらくは仕事にすることができた。でも、まだこれから。

期限のある中で、自分の想いをかけて物事を進めていく。これまでの「流れに乗る」生き方から「流れを作る」生き方に変えて。
臆病な性格なので失敗が怖い。でも、それで全てが終わるという訳ではない。自分を少しだけ鼓舞して、楽しいことをやろうと思う。

この1年で思うのは、「僕はラッキーだ」ということ。
そうそうないタイミングでここで暮らし、この1年で多くの方と出会うことができ、
新しい発見をし、そして、なんとか家族と幸せに過ごせている。