原始林のこと 移入種ナギとナンキンハゼ

・移入種の問題
原始林は、基本的にシイ・カシの占有する森であると書いたけど、現在非常に大きく問題になっていることで移入種の問題があります。
一つは「ナギ」という樹。これは、実は800年前に春日大社熊野神社よりご神木として植栽したといわれるものが、ゆっくりとその範囲を広げているのではないか。ということ。現に春日大社にはこのナギの純林が形成されていてこれは全国的にまれということで天然記念物にまでなっています。
この樹は成長がゆっくりで且つ、成長すると回りに別の種類の樹が生えないようにするアレロパシーという作用があるということで、一度いいポジションをとったらなかなか譲ってくれないと言った感じです。

もう一つは「ナンキンハゼ]」。たまに公園等に生えているこの樹は、もともと台風の影響で多くの倒木があった際に、県が街路樹として植栽したそうなのです。理由としては、紅葉がきれいでさらに大きく育つため。この樹は実を野鳥が食べて広い範囲で拡散するといわれ、もともと公園内でも原始林の方まで広がっています。若草山などは頂上付近に多くのナンキンハゼが生えており、その繁殖の力がよくわかります。

しかし、そんなこと言ったらこの二つの樹種はどこ行っても多くなるはずじゃないか。と考えると思います。
実は、この二つの樹種が増えてしまっている大きな原因の一つに、奈良のシンボルが関係しています。


ナギ。こう見えて針葉樹。葉っぱをよく見ると縦に筋が入っていて笹の葉のように縦に裂ける。



ナンキンハゼ wikiより。奈良公園のナンキンハゼ
続きはまた明日。