原始林のこと シカの問題。それと個人的な想い。

・シカ問題
奈良と言えばシカ。だれもが抱くイメージだと思います。このシカのおかげで多くの観光客の方々が奈良を訪れてくれていると思うのですが、その反面非常に大きな問題も抱えています。いくつかありますが、ここでは原始林に関係することだけ書きます。
この前に書いた、移入種の問題には実はシカの影響が関係していると言われています。
実は、鹿も好き嫌いがあってこの「ナギ」と「ナンキンハゼ」は、鹿の食べない植物なんです。それによって、これらの種が生き残り、繁殖しているという状況を生んでいます。また、奈良のシカは個体数が非常に過密な状況なため(現在奈良公園のシカは約1100頭生息してるそうです)、鹿が食べない植物以外はほとんどを食べてしまうため、本来の植生が変化して来ているという指摘があります。

じゃあなんでこれが問題なのか。ということなんだけど、ある意味ナラ枯れの問題は、防御しようにもなかなか難しい問題のような気がしているけど、移入種の問題やシカの問題は、原因の発端が人間と深く関わりがあると感じています。
特に、ナギなんて随分昔に植えたものが広がっちゃっている現実を考えると、なぜ適正な管理ができなかったのかが今思えば疑問だし、ナンキンハゼについては、ハブを退治するためにマングースを入れちゃったのとほぼ同じ過ちだと思うんです。シカについては、そもそもオオカミがいればとかもあるけど、神鹿や天然記念物という保護のあり方について何が適正なのかを考える基準がなかったことや観光的な視点でアンタッチャブルにしてきたことが大きいのではないかとおもうんです。
つまり、人災。

明らかに人間が失敗しちゃったことで、そこに生きていた方々に多大な迷惑をかけたのであればそれをできるだけ修復しようと勤めることも人間の責任だと思う訳です。

それとこれはとても個人的な想いだけど、自分がこれから奈良公園や原始林を案内するようになった時、「以前は○○も見ることができたんですが、最近は…。」というよりも「また○○が戻って来て見れるようになりました。」という方が嬉しい。単純に。
結局は自分が利用したい場所を自分の利用したい状況にしたいというエゴなのかもしれないけど、でも自分としてはその方が素敵だと思うんです。

どの位自分ができるのかはわからないけど、少しでも貢献できたらいいなと思っています。

鹿さん。可愛いのは確か。

個人的にはこっちの方が好み。ルリセンチコガネ。