「かまきりのカマーくんといなごのオヤツちゃん」

「とべバッタ」の田島征三さんの作品。

今回はかまきりが主人公。
とてもかわいらしい、かまきりとバッタの友情物語(?)です。

この作品は、去年、名古屋で仕事があった際にプログラムでお願いした講師の方が
教材に使っていたので知って、非常に面白かったので息子のためという理由で購入しました。

かまきりのカマー君が食後の散歩をしていたらおいしそうなイナゴに出会います。
元気よく「ヤア」と挨拶するイナゴに対して

「『ヤァ』じゃないだろう。キミはぼくのオヤツなんだぜ」

といって食べようとしましたが、その日はもう別のバッタを食べていたので
次の日のオヤツにしようと思いました。そこでこのイナゴを「おやつちゃん」と
命名したのでした。

その後、何故か毎日別の生き物や人間につかまるオヤツちゃんを身体をボロボロにしながら
守るカマー君。しまいにゃ、川に流されてしまうという不思議なオチで終わります。

毎回のようにつかまってしまいながらも結構軽く「ありがと」ですませてしまうオヤツちゃん、
終いには流されて行くカマー君に「サヨウナラ」と言ってしたたかに自分は生きて行く

一方、カマも足もバラバラになってしまった上に川に流されてしまうカマー君
最後のページで「また会えるよね、ぼくのオヤツちゃん」と言っている。

素直なカマー君に対して、したたかに身を守って行くオヤツちゃん。
人間社会に置き換えても色々考えてしまうようなないようです。

が、

子どもに対して読むので、基本的にそこらへんはすっ飛ばして、楽しく読みます。
特に前述の「きみはぼくのおやつなんだぜ」という台詞が好きです。
また、次第にオヤツちゃんに魅かれて行ってしまう、カマー君の心情が
伝わるように読むように心がけています。

かまきりのカマーくんといなごのオヤツちゃん

かまきりのカマーくんといなごのオヤツちゃん