麺の日(冷やし)

昨日、夕飯に食材をほとんど使ったため本日の昼食も外食となった。
昨日は花園神社のそばにある「居酒屋凛々」の煮込みハンバーグランチ500円だった。
これは、古ぼけた店内の古ぼけたおやじさんの昔懐かしいハンバーグ。型に入れられたご飯に
柔らかいハンバーグが添えられ刻んだ野菜サラダも皿一枚に収まっている。それに、ヨーグルトと
コーヒー(お代わり自由)がついて500円とはなかなか素晴らしい。花園神社のそばにあるだけあって
なにか赤テントを思わせる怪しい雰囲気が漂うお店である。
他には、ベジカレー500円とハンバーグカレー850円というレパートリーがある。
要は、カレーとハンバーグ。気がつくと子供の好物2種類だ。
余談だが最近、ミャンマーだかどこかの女の子が手伝っているらしい。

話が昨日の事になってしまったが、気を取り直して今日の昼食は冷やし中華
なぜか、朝からそう決めてしまった。店は新宿通沿いの「博多天神」いつでも替え玉無料券が
おいてある長浜豚骨ラーメンの店である。ここもランチの基本料金500円の範疇で食べられるので
しばしば行く店だ。今日はその店の冷やし中華400円。
冷やし中華となると普通は値段が高くなるイメージなのだが、ここは100円安くなってしまっている。
実は今日初めて食べたのだが、麺が緑色(ほうれん草だかなんだかを練り込んであるのだろうか)。
具は、春雨(麺にさらに麺)キュウリ、錦糸卵、ハム、キクラゲ、紅ショウガ。
ほぼ麺と同量の具が乗っかっており400円の割にボリュームがある。
味は、オーソドックスな冷やし中華のたれというイメージ。
麺がなかなか腰があってぷりっとして旨かったので、替え玉100円を頼む。
冷やし中華で替え玉って言うのも面白い。冷やし担当のおばさんがちょっとニヤッとしながら出してくれたその緑色の麺は、思った以上にボリュームがあった。明らかに一杯目より多かった気がする。おかげで結構満腹になった。
会社の同僚と妻と(妻も同僚)と3人できたら、その後上司もやってきた。食後店の外に出ると、日差しが厳しくモアっとした。この時期の冷やし麺は格別である。

そして、仕事も適当に切り上げ、先に事務所を出ていた妻と合流。時刻は7時過ぎ。
腹が減ったという妻の言葉に。
「じゃあ、そばか〜。」と私。
「そ〜だね〜。それもいいね。」と妻。
ちなみにこの会話は平均週1回は行われる。
今や二人の“行きつけ”となっているのは、新宿西口のおもいで横町(通称しょんべん横町)にある
池之端かめや”である。おそらく都内で一番旨いスタンドそばの店だろう。
その旨さは、なぎら健一も認めている。
ここの名物は、「元祖天玉そば」店であげたサックリしたかき揚げと絶妙の半熟がたまらない温泉卵が
乗ったそばである。ここは、麺も出しもちょうど良く、ここの味になれてしまうと近辺のスタンドそばが
食べられなくなってしまうほどだ。しかも天玉そばが370円と格安である。(駅前だと420円はする)

私は、ここに週1回ペースで通っている。ちなみに油があんまり得意でない妻は
常に冷やしきつねそば。今日は、昼に冷やし中華を食べたので温かいそばを食べようかと思ったが
もつ焼きやなどの熱気をくぐり抜け、カウンター(カウンターしかない)に座ったときには
「天玉せいろ大盛り」と言ってしまっていた。
ちなみに妻は常に冷やしきつねを食べているため、今や顔見知りで手まで振ってくれる店のおやじさんは、彼女が注文する前に「冷やしきつね?」と聞くほどにまでなっている。
ちょうどタイミングよく、ゆでたてにありつけた。麺つゆに半熟の温泉卵が入り、そこに天ぷらをつけ一口、そして、そばを一口。そのそばだしの味のしっかりしたこと。そしてそばのしっかりしたこと。いつもここでこの500円以下の食事に幸せを感じてしまう。食べ終わり、後ろに待つサラリーマンや観光客のため席を立ち、新宿駅へ向かう途中。二人でいつも「幸せだね〜。」といって歩く。
ほぼ毎週ここへきてそばを食い「幸せ」を噛み締める事ができるのはどれだけ素晴らしい事か。

さらにこの店のいいところは、味ももちろんだがそのおじさんの働く姿にも良さがある。
ちょうどいい距離感の接客。気安くなりすぎず、そして乱暴でもなく。しばしの休憩では、旨そうに煙草を吸う姿さえこの店の良さに見えてくるから不思議だ。いくら高級な食材を使っても、いくら体に良いっていわれても、食べたときにまた、食べるときに「幸せだな。」と感じさせてくれる店はそんなにないんじゃないかと思う。

タイトルとは全くかけ離れたがご容赦いただきたい。
要は、食べる事はしあわせを文字通り噛み締める事でありたいと思う訳である。