不安な日々をやりすごして、
ふときがついた

キンモクセイの香り
赤と白の曼珠沙華
青い空ににひつじ雲。

うるさいくらいに鳴いていた
あの蝉の声は、
コオロギの声に。

オニヤンマは姿を消し、
アキアカネの群れが飛び、
カナブンの代わりに
トノサマバッタが飛んでいる。

Tシャツ一枚から
シャツ+ジャケットになり、
人々の装いも
少し落ち着いた色合いに変化していく。

そんな風に物思いに耽っているうちに
はく息は白くなり、
あっという間に次の季節がやってくる。

そのつかの間の時を
つかのまの秋の時を
少しでも心に余裕を持って、
いろんな事を考えて、ぼんやりと過ごす。