エイキュウ

瑛九展に行ってきた。
瑛九の点描画は、強く、優しいものだった。
描かれている物は、パッと見はモヤモヤとしているのだけど、よく見ているうちにその表面の霧の向こうがわにしっかりとリアルにイメージできる。動きまでハッキリと。

一点一点に、瑛九の魂がしっかり刻み込まれている。それは、非常に穏やかではあるけれどそれと同時に強く、熱い魂。
別会場では写真家玉井瑞夫さんによる瑛九の晩年と死を記録した写真も展示されていた。
瑛九の写真もさることながら、瑛九の婦人を捕らえた写真が非常に印象深かった。
写真には、瑛九と言う人物に対する玉井さんの気持、瑛九をなくした婦人の心境、そしてもちろん瑛九の情熱があらわれていた。

この50年前の画家の絵に込められた今も息づいている情熱に、僕は表現する人間に一番必要な「情熱」を非常に強く感じた。病床にふしてもなおいきいきとしていた目。作品から溢れる力。
絵と言う表現と表現者としての有り様を突き付けられた気がした。

僕は今、個展を手伝っていて、それは表現の中心にいる訳ではないのだけれど、自分のやっている事は、間違いなく表現活動だと思っている。
瑛九や彼の周辺にいた、熱い思いを持った表現者達にまけない情熱でぼくはこれから様々な表現活動(=生きる事)を行っていきたい。